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柳澤美樹子(やなぎさわ みきこ)

 1986年から「旅・食・人」をテーマに物書きをしています。ひとつの出会いによって旅行記事を取材・執筆するところからスタートし、今も旅に関連する仕事が多くを占めています。
 それまでは特別に、日本中を旅したとかバックパッカーだったということはなく、仕事として旅を覚えてきたわけですが、日本各地を取材で訪ねながら多くの方とお話しできたことは、私の人生を実に豊かにしてくれたと実感しています。取材目的だと余計、地元の方に触れる機会が多いのがとてもありがたかったです。
 自分が育った環境が「普通」と捉えていたのが、風土や歴史の中での暮らしによって「普通」は違うということを知り、それをおもしろく感じられたことが、豊かさと幸福感につながったものと思います。基本は「お話を聞くこと」というところから、「人」というテーマにつながりました。
 2015年夏から「交通新聞」紙上で『街道の老舗』という連載をしています。旧街道沿いで街道の時代から現在まで続くお店をこれまでに90軒あまり訪ねて、どうして少なくとも150年の歴史を刻めたのかを伺って、2000字ほどの原稿にまとめています。商品力、街、時代に沿った変革、代々受け継がれた芯など、さまざまな要因があります。うれしいのは、今回話したことで、先祖のことを考え直せたとか、改めて店を大事に思えた、と言っていただけることです。一方的に情報をいただくだけでなく、「聞く」ことでそんな契機になれたら幸せです。
 子どもの頃から妙に正義感が強く、「社会」を意識するのも自分の個性のひとつです。2001年から大前研一が創設した政策学校「一新塾」で多くの社会に向き合う人と出会い、その手法に触れたことも大きいです。具体的な行動を本格化するのはたいへんですが、(一社)旅LABO本郷を立ち上げ、これからの日本の観光がより多くの人に旅の喜びをもたらし、日本の経済にも貢献していけるような活動も続けていきたいと考えています。

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